僕はかなり、恋愛が上手になったと最近よく思う。
恋愛、というよりは交際、である。
遠距離恋愛と言ってもいいかもしれない。
劣等感や嫉妬心の向き合い方も少しは分かるようになった。
処理の仕方も、前より断然マシになった。
そして、これは前にも書いたが、嘘をつけるようになった。
真実を全て預けるのをやめた。
それは、この恋愛が永遠じゃないことを知っているから、というのもあるのかもしれないけど。
僕は、彼女に僕のすべてを預けるのをやめたのだ。
……と言っても9割は見せているけれど。
しかし、それでも、どうしても、僕は。
「彼女のすべてを知りたい」
そう思ってしまうのである。
そうでないと不安で仕方がないのだ。
この理由を最近考えているが、まず思い当たるのはアレだ。
「嘘をつかれていた」というトラウマだ。
前の彼女も、今の彼女も。なんなら中学の時だって多分そう。
僕は、隠されるということに関して人一倍敏感になってしまっている。
そして、元カノのとどめの一撃で、僕はむしろ
「残酷な真実に傷つくことで安心する」
そんな人間になってしまった。
僕は、彼女が知ってほしくない彼女を知ってしまった。
知られたら「別れる」とまで言われてしまった。
それでも、僕は彼女が「知られたくない」感情が、理解できなくて。
僕は全部の彼女を知りたいと執念に駆られてしまう。
でないと、僕は不安で不安でたまらないのだ。
心が乾いて渇いて、仕方がないのである。
苦しい。
僕は、こんな狂気じみた自分の感情が気持ち悪くて、許せなくて、
でも消せなくて、本当に別れてしまおうかとも思った。
僕は、彼女のその「壁」を見て、少なからず「寂しい」と思ってしまった。
そして、少なからず、傷ついて、悲しかった。
別にその「秘密」自体にさして興味がある訳ではなかったが、
僕はとてもとても、悲しかった。
言ってしまえたらどんなに楽だろうか。
でも僕は怖いのだ。
去年の今頃のように、虚無な日々に戻るのが。
彼女に預けた僕が消えてしまうのが恐いのだ。
きっと、別れたら、彼女は鳥のように後腐れなく忘れてゆくだろう。
僕が彼女の中に残せるものなど、ほとんどないだろう。
彼女は僕と付き合って、何も変わっていないのだから。
それなのに、僕はもう僕という液体の中で混ざりに混ざって、取り出せなくなったあなたの色と、生きていかなくちゃいけない。
それがとてつもなく嫌なのだ。
恐いのだ。
あなたのことを愛していないわけじゃない。大好きだ。会うたびに確信する。
それなのに、僕はそれ以上に、「あなたに愛される僕」を愛している。
僕はそうやって生き繋いでいる。
こんな僕を彼女が見たら幻滅するだろうな。
もしかしたら、また別れを切り出すのかもしれない。
書いていて、涙が出そうになる。
それでも、それでも、僕は吐き出さずにはいられない、。
ここに、僕の真実を残しておく。
彼女は探そうと思えばいつでも見られる。
最近は結構うまくやれていただけに、きついね。
あなたが本アカに復帰して、それも少し危ういんだけど。
あなたの灯はいつだって儚く揺れているように見えて。
僕はそれに四六時中怯えて生きている。
謝っては笑って誤魔化して、「良い彼氏」を演じている。
ボロが出ないよう、今日も僕は頑張らなくちゃいけない。